素描LXXXIV

Category : 素描




吸っては吐く情熱が
灼熱となって
胸を焦がし、
君に一歩を踏み出させる。
(その温度が多分エネルギー)
ともすれば痛みとも思える、その熱を。
(鼓動で刻んだスピード・メーターの針はもはや振り切れた)
フル・スロットルで
駆ける。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXXIII

Category : 現代詩




頭の中から
音楽が消えた世界を
生き始めて
十数年。
この世界には
色がない。
ハミングを求めて
雨音に聞き耳をたてる毎日だ。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXXII

Category : 素描




隣は
空席だった。
そこは
ひだまりで猫が昼寝してるような
そんなあたたかみのある空間で
けれど
隣はいつも
空席だった。
まあるい光が照らすばかりで。


テーマ: 刊行案内
ジャンル: 小説・文学

daihyou.jpg

『私選集 私の代表作』
序文:ワシオ・トシヒコ/あとがき:佐相憲一
A5判/192頁/並製本 ISBN978-4-86435-333-5 C1092
定価:2,160円(税込)

参加させて頂きました。羽島は第Ⅱ章に載せて頂いています。

テーマ: 刊行案内
ジャンル: 小説・文学

素描LXXXI

Category : 素描




役者が客を見放した。
静まり返ったステージは
照明ばかりか煌々と
宙に浮いた情熱は
もはや誰の責任でもなく
手の中でチケットは
ただ
小さく折りたたまれていくばかりだった。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学




何処へ行けばいいのだろう
(行方がわからない)

何をやってきたのだろう
(ただ取り散らかしてきただけ)

途方にくれる
真昼

(白昼夢のように)

足元の黒々とした影に
落ちる。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学




その詞は歌わない
その曲は踊らない

(壊れた蓄音機の針は飛び続け)

かかとの取れたピンヒールと
かかとの潰れたローファーで

ただ 行進を

(ただ 行進を!)

靴音高く
鳴り響け

(それも音楽?)

深夜、突然に。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学




それは
簡単なことだった

キャンベルスープの缶から
中身を取り出すように
たやすく
自我を注ぎ出して

スープ皿に
盛り付けて
スプーンを添えて
君に差し出すなんてことは

(とても飲めた代物じゃないかもしれないけれど)


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXX

Category : 素描




立ち上がるために
言葉を

歩き出すために
言葉を

握りしめた拳を
開くために
言葉を

いったいどれだけの言葉を

君は

その胸に突き刺してきたのか。

(痛みは涙となってあふれ
もはや前は見えねども)


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXIX

Category : 素描




ある晴れた日
君だけが傘をさしていた
確かに
君だけに降り注ぐ雨があったのだ
君は間違ってはいない


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学





少しずつ
歩き始めた。

(幾度か倒れた)

失った声で
言葉を紡いだ。

(頭の中でだ)

迷い込んだ交差点で
頭上を仰ぐ。

(途方には暮れず)

信号の青を探した。

(間違ってはいない)

君の手旗信号の旗はいつも
オムライスの上に乗っているアレで

僕は双眼鏡を片手に
群衆の中で君を探す。

(交差点を渡るなら
信号は青だ)

アスファルトに刻み込まれた
タトゥーのような横断歩道を渡り

僕はまたしても君の助言に
従ったことに舌打ちして

笑う。

テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

乾杯の後に

Category : 現代詩



テーブルに置かれた
スープ皿に満たされた
嘲笑を
スプーンで口へと運び
君は飲み干した。

次に
侮蔑をバターナイフで
パンへと塗りつけ
ひと齧り。

グラス一杯の愚弄を飲み込んで、
そうしてナプキンで口元を拭くと

「ご馳走様でした」

と、君は言ったのだ。

実に毅然と
まっすぐに前を向いて。

君への言われなき中傷を
笑いながら給仕していた者たちは
恥じ入り、頭を垂れた。

(テーブルに置かれたナプキンに
拭われたのは
噛み締めて唇の端に滲んだ
君のプライドだ)

人として生きるために
今日も食べる。

テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

Profile

羽島 貝(hajima, kai)

Author:羽島 貝(hajima, kai)
1973年 東京生まれ
代表著書:羽島貝詩集『鉛の心臓』
日本詩人クラブ会員
日本現代詩歌文学館振興会会員
球体関節人形師
Twitter→羽島貝@hajima_kai

中年が詩を綴る日々。

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