■第 2 詩集
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2015年4月1日発売 私家版 詩集 「露悪趣味の亡霊(ゴースト)」
羽島 貝著/新書判/ソフトカバー/68頁/価格1,000円
ビート詩の持つ露悪趣味さながらの耳に(目に?)イタイ詩を集めました。
いわゆる私家版のため、書店でのお取り扱いはありません。イベントや通信販売をご利用ください。

→通信販売
https://shinoshounin.booth.pm/ にてご購入ください。

テーマ: 刊行案内
ジャンル: 小説・文学


ソファの上に
横たわった
絶望が
ヒステリックに
カレンダーを
捲る時

空欄の続く
日付を黙認し
回転椅子へと
身を投げた
木曜日の朝

(その時
 缶コーヒーの中身は
 確かに空だった)

割れた腕時計の
文字盤のガラス片を
丹念に拾い上げて
ただ笑うように。

そんな残念さを
君は
僕にくれたのだった。




テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学


縫い閉じられた唇が
かたちづくる笑顔は
そう無気力なものでもない

ホチキスで閉じられた瞼が
流す涙は
必ずしも無温度でもない

鉛で閉じられた耳が
そばだてる音は
けして無音でもない

(頭蓋骨を凌駕して
 浸透してくる
 思想よ
 湧き上がる
 思考よ
 どうかこの夜は
 反逆せずに
 静かに眠れかしと)

薬で閉じられた心が
思う感情は
やはり無感動なものでもない


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学




空っぽになった ビールジョッキは
大人しくテーブルの上へ

(それは果たして鈍器ではない)

口元の泡は
ネクタイで拭き取って
マナー違反のボーダーを問う。

けして、

踏み割られた眼鏡を
愛し続けることが
間違ってはいないように

(駆け抜けろ荒野を
 咆吼せよ海原に)

プラットホームに
転がる暴力は
ハンカチで包んで
ポケットへ

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ジャンル: 小説・文学

素描LXXII

Category : 素描




それははたして

喧嘩なのか
実は口論なのか
ただの暴力なのか

片方が圧されてるなら暴力だろう
ひとつの結論をお互いが求めているなら口論だろう

では喧嘩は?

どちらかが笑い出して終われば
それ
という気も
しないでもない。






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ジャンル: 小説・文学

素描LXXI

Category : 素描




部屋の壁全面に
貼り込まれたメモは
窓を開けた際に入り込んだ
風に
全てがさらわれていった。





テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXX

Category : 素描




バスタブいっぱいに湛えた
吐息の中に
身を浮かべ
今夜も
静かになっていく
心臓の鼓動に耳を澄まし
窓の外には
ただ
青い月。



テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXIX

Category : 素描




ある日
鮮烈なドラマがおさまった
標本瓶が一本届いた。

ホルマリン漬けになったそれは
まるで内臓を広げるかのように
内情を広げ

(けれど腐臭はなく)

それは確かに標本であった


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ジャンル: 小説・文学

素描LXVIII

Category : 素描




もくもくとSNSで呟かれる
独り言の熱量は

(じっとりとした湿度をはらんで)

果たして何カロリーであるのか

それは
今朝食べた朝食のトーストよりも
高カロリーであるのか?



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ジャンル: 小説・文学

素描LXVII

Category : 素描




それが何の殻であったのか
もう忘れたが
それは路上に落ちていた。

(アスファルトの上に白いものが)

それは無事に孵ったのだろうと
眺めながら
踏まないように
そっと
通り過ぎた。



テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

コーヒーカップの底に
(青空ばかりを詰め込んで)
残った雲の染みのような

そんな

後悔をして君は

君は

晴れ晴れとした顔を
上に向け
歩き始める。

(その足元の影までが
 まるで君を祝福し)

点々と垂れる
血の跡も
振り返らず

(けれどそれは
 君の軌跡でもあり)

ただ真っ直ぐに
歩いて行くのだ。

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ジャンル: 小説・文学

素描LXVI

Category : 素描







望んでいなかった時間が
永遠なものとなってしまった。

それは地獄という名に変わり
僕が死んだあとも
記憶の化石として残るのだろうか。

忘却や忘失は
優しさだ。

永遠の宥恕もない冷徹さに比べたら。





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Profile

羽島 貝(hajima, kai)

Author:羽島 貝(hajima, kai)
1973年 東京生まれ
代表著書:羽島貝詩集『鉛の心臓』
日本詩人クラブ会員
日本現代詩歌文学館振興会会員
球体関節人形師
Twitter→羽島貝@hajima_kai

中年が詩を綴る日々。

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