素描LXXXIII

Category : 素描

言葉を
つないで

万国旗みたいに
喉から引きずり出して

そうして
今日も
シドロモドロに

笑う

テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXXII

Category : 素描




その流れに身を沈めると
やがて
朝の岸辺に流れ着いた
夜が流れる川の
その黒い水面に
すべてをゆだねて


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXXI

Category : 素描




そっと
呼吸する
不安が雨のように
降ってくる夜

そっと
呼吸する
木漏れ日が射すように
痛い昼下がり

そっと
呼吸する
濡れた身体のように
身が重い朝

そっと
呼吸する

そっと

生きていくために。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXVIII

Category : 素描




髑髏にまで届くような
薔薇色のキスを
スコールみたいに
降り注いで
失意に凍りついた
今夜の夢を
溶かして
流し去ってしまいたい。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXVII

Category : 素描




ペンだとか
バッグだとか
腕時計だとか
Yシャツだとか
ストッキングだとか
コーヒーカップだとか
カレンダーだとか
シェーバーだとか
ヌイグルミだとか

それら日常をかき分けて

埋没していた
君を掘り出し
両頬に手を添えて

「おはよう」

を。






テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXVI

Category : 素描




ポケットから取り出して
囓った
林檎の芯のように

たとえ

誰かに食べられても
最後まで
残れるんだ
種子という大事なモノを抱いて

芯さえあれば


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXV

Category : 素描




肩胛骨は
羽のつぼみだと
信じることはなかったが
羽が欲しいと思うことはあった

(たとえば
 途方もなく落下していく
 自我を
 救うために
 など)

せめて背中に羽が
羽があれば
浮上できるのではないのかと


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXIV

Category : 素描




クッションに
キャンディをいっぱいに詰め込んで
それでいて
座り心地が
悪いと
愚痴る君に
差し出せるのは
せめてもの一杯の
レモネードであって。





テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXIII

Category : 素描




僕の本棚を
水浸しにした
君の涙は
アイロンで
いくら乾かしても
湯気の立つばかりで

一向に乾く気配がなくて。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXII

Category : 素描




それははたして

喧嘩なのか
実は口論なのか
ただの暴力なのか

片方が圧されてるなら暴力だろう
ひとつの結論をお互いが求めているなら口論だろう

では喧嘩は?

どちらかが笑い出して終われば
それ
という気も
しないでもない。






テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXXI

Category : 素描




部屋の壁全面に
貼り込まれたメモは
窓を開けた際に入り込んだ
風に
全てがさらわれていった。





テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXX

Category : 素描




バスタブいっぱいに湛えた
吐息の中に
身を浮かべ
今夜も
静かになっていく
心臓の鼓動に耳を澄まし
窓の外には
ただ
青い月。



テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

Profile

羽島 貝(hajima, kai)

Author:羽島 貝(hajima, kai)
1973年 東京生まれ
代表著書:羽島貝詩集『鉛の心臓』
日本詩人クラブ会員
日本現代詩歌文学館振興会会員
球体関節人形師
Twitter→羽島貝@hajima_kai

中年が詩を綴る日々。

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