疾走する

Category : 現代詩






成り立たなかった謝罪が
後から僕を追いかけてくる。
この狭く長い路地裏を
随分の間走ってきたのだが
脇道が見つからない

それはすでに
お前の手をはなれた時点で
諦めなければならないことだったのだ

頭上の鳥が云った。

馬鹿なお前は鳥ではないか
と僕が云うと
鳥は友になった。

「雨の日の路上に落ちているグズグズの新聞紙は社会の吐瀉物だ」

与えられなかった宥恕を求めて
カラスと野良犬を蹴散らし
ポリバケツに頭を突っ込む
その臭気!
顔面を両手で覆い思わず天を仰ぐほどだったが
(両膝はアスファルトに跪いている)
カスすらそこにはこべりついていなかった。

まだ追ってくるのは成り立たなかった謝罪
両脇に道は無く
鳥である友は耳の後ろをバサバサと羽ばたいて
僕はもう全身がゴミ臭く
いつのまにやら
片腕をカラスに
片足を野良犬にやってしまっていた。

「だから聞かないで欲しい」

知らないのだ。
キリエ・エレイソンと唱えた坊主が
救われたかどうかなど。










テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

Profile

羽島 貝(hajima, kai)

Author:羽島 貝(hajima, kai)
1973年 東京生まれ
代表著書:羽島貝詩集『鉛の心臓』
日本詩人クラブ会員
日本現代詩歌文学館振興会会員
球体関節人形師
Twitter→羽島貝@hajima_kai

中年が詩を綴る日々。

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