音楽が聞こえてこない

Category : 現代詩




音楽が聞こえてこない

ソファの裏から
テーブルの下
冷蔵庫の中
昨日買ったばかりの
リンゴを割ってみても
けれど音楽が聞こえてこない

(飛ぶ鳥を見なくなった空で
舞う蝶を見なくなった野辺で)

走ってはとまるを繰り返す
まだ音楽は聞こえてこない

(路面を水滴が
 穿ち始める
 雨だ!)

僕はピアノを持っていないので
可愛いあの子に借りてみる

(そして黒鍵と白鍵の間を覗き込んでみる)

時に突っ伏した床板に
耳を押しあてて

でも音楽が聞こえてこない。

首から「音楽を探しています」と書いた
看板を下げて駅前に立ってみる。

(コインは幾枚か頂いけたけれど)

音楽が消えたこの世界で
僕はどうにも途方に暮れる



その時 遠くで聞こえ始める子どもたちのハミング



わずかな手がかりを掴んで
今。





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テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

Profile

羽島 貝(hajima, kai)

Author:羽島 貝(hajima, kai)
1973年 東京生まれ
代表著書:羽島貝詩集『鉛の心臓』
日本詩人クラブ会員
日本現代詩歌文学館振興会会員
球体関節人形師
Twitter→羽島貝@hajima_kai

中年が詩を綴る日々。

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