乾杯の後に

Category : 現代詩



テーブルに置かれた
スープ皿に満たされた
嘲笑を
スプーンで口へと運び
君は飲み干した。

次に
侮蔑をバターナイフで
パンへと塗りつけ
ひと齧り。

グラス一杯の愚弄を飲み込んで、
そうしてナプキンで口元を拭くと

「ご馳走様でした」

と、君は言ったのだ。

実に毅然と
まっすぐに前を向いて。

君への言われなき中傷を
笑いながら給仕していた者たちは
恥じ入り、頭を垂れた。

(テーブルに置かれたナプキンに
拭われたのは
噛み締めて唇の端に滲んだ
君のプライドだ)

人として生きるために
今日も食べる。
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テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

Profile

羽島 貝(hajima, kai)

Author:羽島 貝(hajima, kai)
1973年 東京生まれ
代表著書:羽島貝詩集『鉛の心臓』
日本詩人クラブ会員
日本現代詩歌文学館振興会会員
球体関節人形師
Twitter→羽島貝@hajima_kai

中年が詩を綴る日々。

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