素描LXIX

Category : 素描




ある日
鮮烈なドラマがおさまった
標本瓶が一本届いた。

ホルマリン漬けになったそれは
まるで内臓を広げるかのように
内情を広げ

(けれど腐臭はなく)

それは確かに標本であった


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXVIII

Category : 素描




もくもくとSNSで呟かれる
独り言の熱量は

(じっとりとした湿度をはらんで)

果たして何カロリーであるのか

それは
今朝食べた朝食のトーストよりも
高カロリーであるのか?



テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXVII

Category : 素描




それが何の殻であったのか
もう忘れたが
それは路上に落ちていた。

(アスファルトの上に白いものが)

それは無事に孵ったのだろうと
眺めながら
踏まないように
そっと
通り過ぎた。



テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXVI

Category : 素描







望んでいなかった時間が
永遠なものとなってしまった。

それは地獄という名に変わり
僕が死んだあとも
記憶の化石として残るのだろうか。

忘却や忘失は
優しさだ。

永遠の宥恕もない冷徹さに比べたら。





テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXV

Category : 素描




可愛いあの娘の
ひるがえるフレアスカートの
水玉模様のような
そんな幸福感を。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXIV

Category : 素描



それは静かな毒でした。

淡雪のように降り積み
やがて、一面を覆い尽くし

静かに
とても
静かに

けれども確実に
貴方の希望をも覆い尽くすような。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXIII

Category : 素描




その言葉を守りたくて
この言葉を吐いた


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXII

Category : 素描




破れてしまった風船ガムは
苦笑とともに ゴミ箱へ
それはけして
破れてしまった夢とは
同等ではない。


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LXI

Category : 素描




雪原
そのクレバスに放り込まれた
心臓が
ルビーのように鼓動している
それは君の
或いは僕の。






テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LX

Category : 素描



その距離は

ほんのわずかな差で
到達点か否かを
残酷に表していた。

(フラッグを
 掴み取るために伸された手も
 空を切るばかり)

その距離は確かに存在し、隔てている

両者を。

テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LIX

Category : 素描




さもあらん

君が言ったので

僕は

ただ

微笑んでみせることしか
出来なかった


テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

素描LVIII

Category : 素描




その
ハーモニーならば
知っている
眠っている間に
心臓の底に流れていた
血の中に沈みこんだ
そんなハーモニーだ



テーマ: 自作詩
ジャンル: 小説・文学

Profile

羽島 貝(hajima, kai)

Author:羽島 貝(hajima, kai)
1973年 東京生まれ
代表著書:羽島貝詩集『鉛の心臓』
日本詩人クラブ会員
日本現代詩歌文学館振興会会員
球体関節人形師
Twitter→羽島貝@hajima_kai

中年が詩を綴る日々。

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